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肺炎、成人肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンは、2014年10月より成人肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まり、今まで以上に皆さんに認知されています。
肺炎球菌ワクチンは打った方が良いのか?迷われている方もいらっしゃると思いますので、
「肺炎」「肺炎球菌」、「肺炎球菌ワクチン」 について少しだけ書かせていただきます。

実は 「肺炎」 と名のつく病気 (疾患) はたくさんあります。
聞き慣れない病気が多いので、「〇〇〇肺炎」 と言われると、どれも所謂 「肺炎」 と思ってしまいます。
例えば 『間質性「肺炎」』 や 『器質化「肺炎」』、『過敏性「肺 (臓) 炎」』 や 『好酸球性「肺炎」』 等 が思いつきます。
どれも 【肺】 に炎症を起こした病気ではありますが、原因や炎症部位 (肺の中の微細構造の部位) が異なっており、
治療方法も異なります。
この中でもただ単に 「肺炎」 といった場合は、通常 【細菌性又はウィルス性】 【肺胞性】 「肺炎」 のことを指します。
【細菌性又はウィルス性】 は原因を、【肺胞性】 は炎症部位を表しています。

炎症部位は大雑把に 【肺胞性】 と 【間質性】 に分けられます。
肺に炎症を起こす原因は様々ありますが、大きくは 【感染性】 と 【非感染性】 に分けられます。
感染する病原微生物はほとんどが 『細菌』、『ウィルス』、『真菌 (いわゆるカビ)』 に分類されます。 
肺炎球菌はこの中でも 『細菌』 に属しています。
今回は肺炎球菌ワクチンの話題なので、細菌性肺炎 について書かせていただきます。

肺炎 日本人の死因の第3位 (2013年厚生労働省人口動態統計(確定数)より) となっており、
抗生物質が発達した現在でも決して侮れない病気の一つです。
肺炎の中でも通常の生活をしていて (つまり入院や入所した状態ではなく) 罹患するものを 「市中肺炎」 と言います。
この市中肺炎の中で、原因菌として最も多いのが 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae) です。
肺炎球菌 が原因の肺炎は高齢者、非高齢者いずれでも頻度が高く、特に高齢者で重症化することもあるため
予防方法の一つとして 肺炎球菌ワクチン が重要となっています。

定期接種で使用する 肺炎球菌ワクチン は、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン です。
このワクチンを接種することで、肺炎球菌に対する免疫機能 (抗体) が5年以上持続すると言われています。
副反応としては、接種部位の赤み、腫れ、痛み、熱等や発熱、倦怠感 (だるさ) が出現することがあります。
ほとんどの場合、3~4日以内に治まりますが改善しない場合は接種した医療機関に相談しましょう。
効果が5年程度なので、5年以上経過すれば再接種を受けることができますが、公費助成はありません。
5年以内に再接種を受けた場合は副反応は強く出る場合がありますので、お勧めしません。

肺炎球菌ワクチン はあくまでも 肺炎球菌による肺炎等の感染症を予防し、重症化を防ぐワクチンです。
全ての肺炎を予防するワクチンではありませんので、
接種後もうがい手洗いや時期によってはマスク着用等での肺炎予防が大事なのは変わりません。



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