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お知らせ 2014年2月アーカイブ

山梨県内の PM2.5 の飛散状況

今週は 『PM2.5』 の飛散量が多くなっているとの報道があり、
気管支喘息などの呼吸器疾患をはじめとする病気をお持ちの方は特に気になっていると思います。

では 『PM2.5』 とは何でしょうか?
PM はParticulate Matter の略で、微小粒子状物質という意味です。
PM2.5 とは、大気中に浮遊している粒径2.5μm (マイクロメーター) 以下の小さな粒子のことを指します。
個人差はありますが、人髪の直径が約 70μm ですから大変小さい粒子ということがわかります。
浮遊粒子状物質の 《粒径》 が 0.1~5 (又は10) μm だと人体の健康への影響に関与するとされ、
特に2.5μm以下の空中浮遊物質が健康に大きな影響をもたらすことが指摘されているため、『PM2.5』  が問題となっています。

『PM2.5』 は単一の化学物質ではなく、様々な物質が混合されてできた物質です。
焼却炉やボイラー、自動車等から排出される人為起源の大気汚染の原因物質はもちろん、
自然起源の火山活動時の噴煙や身近なところでは花粉等も 『PM2.5』 に含まれます。

浮遊粒子状物質が無害の場合は問題ありませんが、
金属微粒子や粒子の周りに有害な化学物質が付着している場合は、
特に呼吸器疾患を含めた健康への影響
が懸念されます。
浮遊粒子状物質の気中濃度と健康への影響が関係あるとされているため、
各都道府県等の自治体でPM2.5等の気中濃度を測定し、公表しています。
山梨県では、県内 5 地点で測定して県のホームページから閲覧することができます。
 http://www.pref.yamanashi.jp/taiki-sui/pm25setumei.html

閲覧してみると、今月は2月14~15日の大雪の後、17日から気中濃度が上昇 しているのがわかります (最高値で27日甲府富士見局での40.3μg/m3) 。
健康への影響が見られるのは80μg/m3 以上とされており、
環境基準でも日平均値が70μg/m3 超で行動に対する制約を推奨していますので、
まだ気中濃度はそれらに達していませんが、気中濃度が高い日は外出時にマスクをつける等の対策をとることをお勧めします。
咳や痰、息切れなどの呼吸器症状が出てきた方は呼吸器内科に御相談下さい。




甲斐市、中央市、南アルプス市から肺炎に罹患した方が来院しています

2014年1月下旬から1ヶ月間で、5人の肺炎患者さんが当院を受診されて治療しています。
年齢は20歳代から70歳代まで幅広く、
20歳代:1名/30歳代:1名/60歳代:2名/70歳代:1名、性別は、男性:3名/女性:2名 です。

原因菌は、今のところ3名で判明しており、
肺炎球菌性肺炎:1名/クラミジア (クラミドフィラ) 肺炎:2名 です。 
この中では、南アルプス市と中央市から受診された方が クラミジア (クラミドフィラ) 肺炎、甲斐市在住の方が肺炎球菌性肺炎でした。
1名は胸部CT検査で胸膜炎を併発されていたことが判明しました。

受診された時の症状は様々で、発熱倦怠感 (だるさ) といった全身症状や咳・痰といった呼吸器症状、
また胸痛労作時の息苦しさ血痰がみられた方もいます。
肺炎患者の中には、咽頭痛 (のどの痛み) と咳が治まらないため来院された方もいますので、
風邪やインフルエンザと思っても、
症状が激しかったり、2週間以上長引くようなら他疾患や合併症がないか検査を受けていただくことをお勧めしています。

肺炎の診断は主に胸部Ⅹ線検査、血液検査で確定しますが、
当院では原因菌を検査するのに血液検査の他にも迅速検査キット (肺炎球菌、マイコプラズマ等の検査) を活用しています。 
聴診器による聴診でも5名のうち4名で異常を指摘しています。

ここ1ヶ月で当院を受診された肺炎患者さんは、全員外来通院で内服治療をして治癒 又は 改善傾向です。
重症化しないうちに治療を開始できているため入院治療せずに済んでいると思います。

インフルエンザや風邪の流行時期ですが、似た症状でも肺炎に罹患していることもありますので、注意してください!

甲斐市,甲府市からインフルエンザ患者さん受診されています

先週 (1月27日~2月1日) 1週間で当院をインフルエンザ患者さんが17名受診されました。
インフルエンザA型は2011-2012年シーズン以降 H3N2 (香港型) が主体でしたが,今シーズンは H1N1/2009 も流行しているとされています。
先週6日間で当院を受診されたインフルエンザ患者の17名中15名がインフルエンザA型,
その内8名が迅速診断キットで H1N1/2009 (2009-2010年シーズンのいわゆる新型インフルエンザ) と診断されました。
2名はインフルエンザB型でした。

今のところ当院で診断できたインフルエンザ患者さんは重症化されていませんが,流行してきていますので注意が必要です。
特に気管支喘息やCOPD等の慢性呼吸器疾患,慢性心疾患,免疫不全者 (免疫不全疾患,ステロイドや免疫抑制剤内服中等),体力の低下した高齢者等は
合併症で重症化することがありますので予防が大切です。

インフルエンザの予防法は,感染者と接触しないことが一番ですが,現実的には困難ですので
  ①手洗い,うがい
  ②マスク着用 (可能であれば感染者が着用することも大切です)
  ③予防接種
が大切です。
発熱やだるさ,呼吸器感染症状 (咳,痰,息苦しさ,鼻水など) がみられたら,できるだけ早めに医療機関を受診してください。
抗インフルエンザ薬はいずれも発症から48時間経過後の投与は有効性を裏付けるデータは得られていません。 

当院には感染予防の観点から発熱外来があり,一般外来とは待合室も別になっていますので,
発熱した場合や御家族にインフルエンザが発生して体調がすぐれない場合は,受診前や駐車場からでもに電話で御一報いただければ御案内致します。


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